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「国際化」と学問の独創性--元タイ留学生の見たニッポンーー (5)

Japan and culture

名ばかりの「国際化」

私が国立国語研究所に就職してしばらくして、日本国籍を持っていないと当初からのボス卜である主任研究官から管理職である研究室に昇進させることはできないので、帰化しないかと聞かれた。私は、当分、日本で仕事を続けるつもりなので、最初、日本国籍を取ろうかと思った。

しかし、考えてみると、「国際化」の象徴として外国人を採用しておきながら、管理 職にするためには帰化せよと言われるのに納得がいかなかった。それと、自分の研究さえできれば、とくに管理職になる必要は感じなかった。ただ、外国人であるからというだけの理由により、このような扱いを決めた者に、自分自身の立場に置き換えて考えてみてほしいと思うことがある。

それは、一般的にいって、自分より後から採用された、若く、まだ業績も十子こなく、学歴も髙くはない後輩が次々に管理職に登用されていき、自分だけは定年まで昇進しないとい態になつたときに、果たして意欲を失わず仕事に積極的に取り組み続けていけるだろうかということである。

これは、外国人を任用することにより教育、研究の進展を図り、学術の国際交流の推進に資するという目的の特別措置法の趣旨とも矛盾することである。あるいは、その「国際化」がお題目だけに終わつていることを自ら証明するも のともいえる。

職務上、求められることは他の人とまつたくて同様であるにもかかわらず、外国籍であるというだけの理由によつてこのような扱いがまかり通ることと本来の国際化とは矛盾することは、誰の目にも明らかである

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